成年後見制度 PR

任意後見制度について解説します。成年後見制度に関する基本的事項

成年後見制度知っておきたいこと④と書いてあります。
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前回は,法定後見制度について解説しました。

今回から,任意後見制度(にんいこうけんせいど)のことについて詳しく説明します。

 

任意後見制度の創設,根拠法,概要などについて

成年後見制度として,これまでに説明してきました法定後見制度と並んで新たに「任意後見制度」が創設されました。

法定後見が民法上の制度(平成11年の民法の一部改正法に伴うもの)であることに対し,任意後見は民法の特別法である「任意後見契約に関する法律」(平成11年12月8日成立・法律150号。以下「任意後見法」という)に基づいて定められた制度で(任意後見法1条参照),法定後見制度と同様に平成12年4月1日からスタートしました。

 

任意後見制度の概要について

任意後見制度は,自分が十分な判断能力があるうちに,将来,認知症などで判断能力が低下した場合に備えて,自分の支援者を誰にするか,自分の生活や財産管理などをどのように支援してもらうかなどについて,あらかじめ,自分自身で決めておくものです。

これまで説明した法定後見が家庭裁判所の判断によるものに対し,任意後見は本人と支援者の契約によるものです。

 

任意後見契約の効力発生時期について

本人の判断能力が不十分となった場合に,支援者(以下「任意後見受任者」という)などが家庭裁判所に対し「任意後見監督人(にんいこうけんかんとくにん)」の選任を申し立て,この任意後見監督人の選任がなされたときに,任意後見契約は効力を生じます(任意後見法2条,4条)。

 

任意後見制度の詳細について

任意後見契約(にんいこうけんけいやく)が,将来に備える「老後の安心設計(あるいは老い支度)」であると聞きましたが,これは,どういう意味ですか?

年をとってくると,たとえ,いくらお金をもっていても,自分のお金であっても自分で使えない,自分で処理できないという事態が生じます。

そのような事態を防止するため,自分の判断能力が低下した場合に備えて,自分が元気なうちに信頼できる人を見つけその人との間で,もし自分の判断能力が衰えてきた場合には,自分に代わって(自分を代理して)自分の財産を管理したり,介護施設入所・入院など必要な契約を締結してくださいとお願いします。

これを引き受けてもらう契約が「任意後見契約」です。

そのため,任意後見契約は,安心して老後が迎えられる,将来の老いの不安に備えた「老後の安心設計(あるいは老い支度)」と言われているんです。

 

任意後見契約を結ぶ方法,契約に必要な書類,作成手数料,作成に要する期間について

 

任意後見契約を結ぶ方法について

任意後見契約を締結するには,任意後見法により,公正証書でしなければならないことになっています(任意後見法3条)。

その理由は,本人(委任者)の意思をしっかりと確認するとともに,契約内容が法律に従ったものになっているかどうかを見極める必要があることなどから,法律の専門家であり,公正証書の作成権限を有する公証人を関与させる仕組みにしたのです。

この契約は,委任者(本人)と任意後見受任者(以下「受任者(任意後見人)」という)の双方契約なので,お互いが公証役場に出向いて行います。

なお,委任者(本人)が病気などで公証役場に行けないときは,公証人が自宅や病院等に出張して作成することができます(公証人法18条第2項参照)。

 

契約に必要な書類について

○ 委任者(本人)は,印鑑登録証明書,住民票,戸籍謄本

○ 受任者(任意後見人)は,印鑑登録証明書,住民票

 

公正証書作成手数料について

委任契約,任意後見契約とも各11,000円,これに紙代(頁数が多いので1万円程度)と法務局への登記代(登記嘱託料,登記所に納付する印紙代,郵便料などを含め8千円程度)がかかります。具体的な作成手数料の目安は以下のとおりです

○ 任意後見契約のみだと,11,000円+10,000円+8,000円=3万円程度

○ 委任契約・任意後見契約の2つの契約だと,(11,000円×2)+10,000円+8,000円=4万円程度

なお,委任者(本人)の病気等のため公証人が自宅や病院等に出張して契約書を作成する場合は,上記手数料に出張料1万円が加算されます。

 

作成に要する期間について

早期の作成を希望する場合で,上記の必要書類が事前に用意されていれば1週間程度で作成できます。通常は,事前の打合せなどを含め3週間から1か月程度で作成できます。

 

次回は,任意後見契約の受任者について詳しく解説いたします。